はじめに
こんにちは!
今回は子宮頸がんの検査について解説しようと思います!
この記事は次のような人にオススメです✨
- 子宮頸がん検診で何をするのか分からない
- 検診に行ったけど結果の意味がよく分からない
- 検診の後の流れが分からない
また、解説する内容は主に検査結果や経過についてになりますが、私が一番お伝えしたいことは、、、、
「子宮頸がん検診に行きましょう!!!!!」
ということです!!!
この記事で検査についての知識を深めて検診に行きましょう!!
出典:公益社団法人 日本産婦人科学会
子宮頸がんとは、画像のように子宮頸部という子宮の出口付近に発生する悪性腫瘍です。
もともとは40~50歳代の女性が好発年齢でしたが、最近は若者に増えてきており、現在のピークは30~40代となっています💦
若い人に多いんだね⚡
毎年約1万人の女性が子宮頸がんに罹患しています。
厚生労働省によると、一生のうちでおよそ70人に1人が子宮頸がんと診断されています。
そして約3000人の女性が毎年亡くなっており、各ステージの5年生存率は下の通りです。
<5年生存率> ・Ⅰ期:92% ・Ⅱ期:77% ・Ⅲ期:55% ・Ⅳ期:27%
資料:日本産婦人科学会腫瘍委員会治療年報 第59回
そして、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう(妊娠できなくなる)人も、1年間に約1,000人います。
5年生存率をみてわかるように、いかに早期から治療を行うかが重要なんです!!
リスク因子は喫煙とHPV感染の起こりやすい状況にある人(性交渉の相手が多い、妊娠・出産回数が多い、性交渉の開始年齢が低いなど)です。
症状は、早期の場合だと基本的に自覚症状はありません。しかし、進行すると不正性器出血や性交時の接触出血、下腹部痛などがあります。
自覚症状がなかったら気づけないじゃん。。。。
そのため定期的に子宮頸がん検診を受けに行きましょう!!!
検査
全体像
それでは検査の流れを以下に示します
病気がみえるvol.9 婦人科・乳腺外科(第4版)をもとに作成
まずは、子宮頸部の細胞をこすって取ってくる検査を行います。これが子宮頸がん検診ですね!
20歳超えたら2年に1回やろうねっていうやつだね💡
膣を開かれるときは少し痛いけど、ブラシでこすられるのは痛くないです
そして、その中で異常があった人にはさらに詳しい検査を行い悪性かそうでないかを評価します。
それでは1つずつ見ていきましょう!!
細胞診
まずは、子宮頸部の細胞に異常がないか、1番侵襲の低い方法で検査を行います。具体的には、ブラシを使って、子宮頸部を擦って細胞を採取します
採取された細胞の形状に異常がないかベセスダシステムという以下の基準で判定してもらいます(*ここでは簡略化するために扁平上皮系のみとします)
NILMはNegative for Intraepithelial Lesion or Malignancyの略で「Negative」つまり「異常なし」という意味です。そのため、経過観察で問題ありません。
NILM以外は子宮頸がんなのか。。。。
いいえ、まだ分かりません!!他の結果も見てみましょう!!
ASC-USは、よく分からない変な細胞(意義不明な異型扁平上皮細胞)のことです。正常ではないけれども、リスク因子であるHPV感染があると断定もできない状態です。なので、HPV感染があるかどうかまずは確認を行い、HPV陰性なら1年後に再度細胞診を行い、陽性なら精密検査を行います。
LSIL・HSIL・SCCはHPV感染していることは明らかでありあるためさらに精密検査を行います。
精密検査って言われるとなんだか怖いな。。。
「精密検査=子宮頸がん」という訳ではありません!!
この段階でがんと確定することはできません
ほとんどが良性か前がん病変の段階でみつかっています。精密検査と言われると不安になるかもしれませんが、必ず受診しましょう👍
精密検査(コルポスコピー&組織診)
コルポスコピーとは、酢酸を子宮頸部に塗って病変部を確認しやすくして、子宮頸部を観察する方法です。そして、コルポスコピーで見つけた異常所見部分を採取してきます(組織診)
そして、実際に採取してきた組織から、進行度合いを判定します
出典:病気がみえるvol.9 婦人科・乳腺外科(第4版)
組織診の分類はCIN分類というものを使用します。
CIN分類は、変な細胞が上皮の中でどれくらい拡がっているかを評価するものです。
CIN1は、HPV感染初期の変化で、悪性になる可能性は低くほとんどが消失するので経過観察で問題ないです。
逆に、CIN3はがんの前段階であるため、原則治療が必要となります。
その間のCIN2は、HPV感染の有無や、年齢、妊婦かそうでないかによって方針がかなり異なります。
以上の内容をまとめると次のようになります!
また、浸潤癌などこれ以上に進行している場合は別の回「子宮頸がん(治療)」のところで解説します。
精密検査の後に何か注意することってある?
組織診では、組織を採取するので子宮頸部はケガをした状態になります。
そのため、1週間程度は出血が続く場合があります。出血がある場合は湯船につかることや過度のアルコール摂取を控えてください(血流が良くなるため出血しやすくなります)
また、感染しやすい状態ですので、性生活や温泉、プールも避けるようにお願いします。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今回は、子宮頸がんの検査について解説しました
何回も似たような検査を行うし、略語ばかり出てくるのでわかりにくかったかもしれないです💦
大事なのは、「定期的にしっかり検診をすること」です!!
子宮頸がんを受けられた方は、ぜひご自身の結果と比較してみて下さい♪
また、妊婦健診の初期検査でも子宮頸がんの検査を受けていると思うのでぜひ見てみて下さい😊
今回は以上になります♪
最後まで見て頂き本当にありがとうございます(#^^#)💕
【参考文献】
厚生労働省 小学校6年生~高校1年相当の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(詳細版)
病気がみえるvol.9 婦人科・乳腺外科(第4版)
公益社団法人 日本産婦人科学会
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