生理って必要なの?~仕組みについて解説~

婦人科

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こんにちは!産婦人科Dr.ずーです!

まだ医師になりたてのヒヨコで、日々たくさんの経験を積んでいます。

患者さんの疑問や不安についてブログならもっと分かりやすく解説できるのではないかと思い投稿を始めました(#^^#)

私について興味をもって下さった方はこちらの記事を読んで頂けると嬉しいです🥰

こんにちは!産婦人科Dr.ずーです🐣
産婦人科医をしながらどうしてブログを始めようと思ったか。自己紹介を兼ねてお伝えします!

生理の仕組み

生理は毎月来るけど、いまいちよくわかってないな~

生理とは、約1カ月で起こる周期的な出血のことで、医療用語では「月経」と呼びます。

「妊娠に向けて子宮の膜を厚くしたけどいらなかった!」ってことで、子宮内膜の肥厚部分が血と共に外に排出されているタイミングです!

上の図のように子宮は、妊娠しても大丈夫な環境をつくるために①増殖期と②分泌期、③月経期の3つのステップがあります。

まずは生理のタイミングだけでなくてサイクル全体について解説します!

増殖期

出典:病気がみえるvol.9 婦人科・乳腺外科(第4版)

増殖期では、エストロゲンが増加します。エストロゲンが増えることで子宮内膜が増殖・肥厚します。最初のステップとして子宮内膜を分厚くすることで受精卵が着床できる環境に整えていきます。

まずエストロゲンがベッドの骨組みをつくっているんだね💡

その通り!この時期のメインはエストロゲンです!

分泌期

増殖期は排卵「前」の時期でした。それに対して分泌期は排卵「後」の時期を指します。分泌期では主にプロゲステロンがはたらきます。

増殖期では内膜を肥厚させるのが主な変化でしたが、分泌期では内膜の肥厚に加えて内膜が分泌できるような環境をつくります。これにより骨組みしかなかったベッドにふかふかの布団を敷き、受精卵が気持ち良い状態で寝床につけるように整えます。

プロゲステロンがふかふかのベッドを敷くんだね💡

以上の過程で妊娠しても良い状態を整えます。

生理の前にはこんなに大きな変化が起こっているのか⚡

妊娠に備えてこんなにたくさんの変化が起こってるってすごいと思いませんか(((o(*゚▽゚*)o)))

生理のしくみについてよく知らない時、私は生理の時以外は何も起こっていないと思っていました(^^;

妊娠しなかった場合はどうなるの?

妊娠しなかったらただ子宮内膜が分厚くなっただけで何の役にも立たないですよね。

むしろ肥厚した内膜が居続けていたら子宮体癌の発生母地になりかねません!

なので妊娠をしなかった場合はベッドを壊す必要があります。それが次の月経期(いわゆる生理)です。

月経期

月経期は肥厚した子宮内膜が外へ排出されるタイミングです。つまり、作ったベッドを取り壊す期間です。

月経期では、エストロゲンとプロゲステロンが急激に低下します。ホルモンバランスが崩れることで今まで作られていたベッドが取り壊されて子宮外へ血と共に排出されます。これが出血となって生理がきます。

せっかく作ったのに何だかもったいないね。

確かにもったいない感じもありますが、肥厚し続けていると子宮体癌のリスクになります。

そのため生理できちんと内膜を出すことはとても大切なイベントなんです。

毎月しんどいけど大事なことなんだね。。。

ベッドの取り壊し作業でどうしてお腹が痛くなったりするの?

良い質問ですね!

では次に生理中の悩みの原因について解説していきます!!

生理中の悩みの原因

生理中の主な悩みとして、次の3つがあります。

①月経前症候群、②月経困難症、③過多月経

これらのしくみについて1つずつ簡単に説明していきます!

月経前症候群

月経前症候群(PMS : premenstrual syndrome)とは、生理前3~10日の期間に続く精神的あるいは身体的症状のことで、生理が来ると軽減or消失するものです。

精神科領域では、月経前不快気分障害(PMDD)という用語が使われています。

精神的なものは、イライラ、怒りっぽい、抑うつ状態などで、身体症状は乳房の張りや痛み、顔や足のむくみが挙げられます。

明らかな原因は不明ですが、エストロゲンとプロゲステロンのバランスの悪さなどが考えられています。

そのためピルなどのホルモン剤を投与してホルモンバランスを整えると症状は改善します。

月経困難症

月経困難症とは、生理に随伴して起こる病的な症状で、日常生活に支障をきたし治療の対象となる場合を言います。生理前~生理開始2日目頃に症状が出現して、生理終了前~終了時に症状は消えます。

下腹部痛や腰痛、お腹の張る感じや悪心、頭痛などの強い症状を認めます。

月経困難症は子宮内膜から産生されるプロスタグランジンという炎症を起こす物質が多いことが報告されています。プロスタグランジンが子宮筋を「ぎゅーーー」って収縮させることで子宮内膜を剥がしているのですが、これが強すぎると腹痛などの症状が出現していると考えられています。

子宮内膜が厚いと産生されるプロスタグランジンも多くなるので、ピルなどを内服して内膜を薄くすると症状は改善します。

過多月経

過多月経とは、出血量が異常に多いものをいいます。原因として、子宮筋腫や子宮腺筋症などの良性疾患が隠れている可能性があります。

子宮腺筋症の場合はピルなどのホルモン剤で症状は軽減します。

ただし、子宮筋腫は変わらないので手術によって筋腫を摘出する必要があります。手術方法含め、治療方法は筋腫の大きさや種類によってかなり変わるます。

最後に

いかがでしたでしょうか?

今回は、生理のしくみについて解説しました。

生理とは、約1カ月の周期で起こる周期的な出血のことで、妊娠に向けて準備した肥厚内膜が血と共に外に排出されているタイミングです!

生理の前や生理序盤は特に精神的な変化や身体的な変化が出現しやすいです。また、出血量が多く貧血になる方もいます。。

もし、これらの症状で毎月つらい思いをしている方は薬の力でかなり改善されると思うので一度病院受診をオススメします!

もし病院受診に抵抗があったり、平日なかなか時間が取れない方はオンラインでの相談でも全然いいと思います。まず一歩行動を起こすことが大切です!

ピルに対してあまりいいイメージがない方やよくわからない方はこちらの記事も参考にしてください。

今回は以上になります!

最後までお読みいただき誠にありがとうございました(#^^#)

【参考文献】

病気がみえる vol.9 婦人科・乳腺外科(第4版)

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