不妊治療ってどんなの?

不妊治療

※当サイトは広告アフィリエイトを利用しています

 

こんにちは!産婦人科Dr.ずーです!

まだ医師になりたてのヒヨコで、日々たくさんの経験を積んでいます。

患者さんの疑問や不安についてブログならもっと分かりやすく解説できるのではないかと思い投稿を始めました(#^^#)

私について興味をもって下さった方はこちらの記事を読んで頂けると嬉しいです🥰

こんにちは!産婦人科Dr.ずーです🐣
産婦人科医をしながらどうしてブログを始めようと思ったか。自己紹介を兼ねてお伝えします!

今回の内容はこんな方にオススメの内容となっています!

・今はまだ妊娠は考えていないけどいずれは子供がほしいと思っている方

・不妊治療に関心があり流れを知りたい方

・不妊治療の費用について気になる方

では、いきましょーーー!!!

一度はこのようなことを考えたことはありませんか?

今はまだいいけど、将来こどもが欲しい時に授かることが出来るかな?

私も実際に考えることがあります(^_^;)

厚生労働省によると、不妊を心配したことがある夫婦は39.2%で夫婦全体の約2.6組に1組の割合です

また、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または受けている)夫婦は22.7%で約4.4組に1組の割合です

以上のことから、

”多くの夫婦が不妊をを心配しており、実際不妊治療も行っている”

ことがわかります💡

ただ、「不妊治療 = 自費診療 = 高額」というイメージをがありなかなか行動に移せていない方も多いはず!!

そこで、自然妊娠との違いや全体の流れ、費用について解説していきます!!

自然妊娠 vs ART妊娠

そもそも自然妊娠と生殖補助医療(assisted reproductive technology:ART)妊娠の妊娠率は同じなのでしょうか?

また、妊娠時の合併症なども同じでしょうか?

生殖補助医療の方が人工的に移植とかするから確率は高いんじゃないの?

次のグラフをみてみましょう📈

上のグラフは一般的な妊娠率です

それに対して下のグラフは生殖補助医療(ART)による妊娠率です

引用:MSara Rosenthal.The Fertility Sourcebook.Third Edition より

出典:2021年 体外受精・胚移植等の臨床実施成績

ARTの方が低いじゃん!!

そうなんです。ART妊娠自体の母数が妊娠しにくい人に偏りがあるので一概には言えませんが、

妊娠確率がめちゃくちゃ上がるというわけではありません

そして、ART妊娠では自然妊娠と比較して周産期合併症が増加すると言われています

具体的には、早産、低出生体重児に出産、子宮内胎児発育不全、周産期死亡率、胎盤位置異常、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などの増加です

良いこと全然ないじゃん。。。

本当にその通りで自然妊娠に越したことはないですね💦

ただ、35歳以上であったり年齢が若くても婦人科疾患でAMH(卵巣予備能)が低かったり、

妊娠を妨げる要因がありどうしても自然妊娠が難しい場合があります

そのような場合にはARTが必要になってきます

次のグラフは、20歳前半の妊孕性を100%とした時の相対的な変化を示しています

出典:一般社団法人日本生殖医学会

このグラフから分かるように34歳までの妊娠率はそこまで変わりませんが、

35歳を超えた途端一気に妊娠率が減少するのがわかります

個人的には年齢別でこのようにオススメさせてもらってます

34歳以下の方

→まずはご夫婦で妊活を6ヶ月チャレンジして頂き、それでも妊娠しない場合に病院を受診する

35歳以上の方

→妊娠を希望されたタイミングで病院を受診する

妊娠成立までの流れは?

次に、妊娠までの全体的な流れを解説します

詳しい内容はまた別の記事で書きますね(*^^*)

【問診・検査】

まず、問診を行います

ここでは、不妊期間や月経周期、一般的な病気の有無などを聞きます

そして、血液検査を行い卵巣予備能(AMH)などの評価を行ったり、男性不妊の原因がないかなど一通りの検査を行います

AMHとは発育途中にある卵胞から分泌されるホルモンです

卵胞の在庫数を示す目安となり、卵巣予備能ということもあります

【タイミング法・人工授精】

精液所見など概ね問題がなければまずはタイミング法や人工授精を行います

エコーで卵胞の大きさを確認してより正確に排卵日を予測してます

人工授精の場合は、洗浄・濃縮した精液を排卵日に人工的に子宮内に注入します

この2つの方法は一般不妊治療といわれます

この方法を数回行っても難しい場合は、生殖補助医療(ART)へステップアップします

【卵巣刺激】

薬を投与して人工的に卵胞を発育させます

卵胞を発育させる方法は大きく分けて調節卵巣刺激方法と低卵巣刺激法の2通りがあり、

AMH値や年齢などから総合的に判断し、卵巣刺激の方法を決定します

そして経時的にホルモン値とエコーで卵胞の発育をみて、十分発育していることを確認できたら採卵日を決めます🗓

【採卵&採精】

排卵直前の1番成熟している状態で採卵を行います

採卵はエコーに専用の針をセットして、エコーで確認しながら卵胞に針を刺して卵胞液を吸引します

また、採卵当日にマスターベーションをしてもらい精子も提出していただきます(採精)

【受精(体外受精 or 顕微授精)】

吸引した卵胞液から卵子がいくつ取れたかを培養士が確認し、

取れた卵子の中で成熟しているものを残して精子と受精させます

受精方法は2つあります

1つは一般の体外受精といって、卵子に精子を振りかけて1個の精子が自然に卵子の中にはいって受精する方法です

もう1つの方法は、優秀な精子を1つ選び、細い針に入れて顕微鏡で観察しながら卵子内に精子を注入するものです

【胚培養&胚凍結】

きちんと受精したかどうかは採卵日の翌日に確認します

受精して胚になった卵は採卵日を0日として、

5日〜6日間培養器の中で成長させます

成長途中の卵を初期胚(3日目胚)、しっかり成長した卵を胚盤胞といいます

成長した卵は-196度の液体窒素で瞬間冷凍して凍結保存します🧊

【胚移植&妊娠確認】

融解した胚を専用の柔らかいカテーテルに吸引します

そのカテーテルをエコーで観察しながら、

着床に適した場所まで子宮内に挿入します

その後ゆっくりと胚を注入して胚を移植します

胚移植のタイミングは病院によって異なりますが、最後の月経から2週5日または2週6日(妊娠週数と同じです)です

そして、移植から約2週間後くらいに妊娠成立の確認をします

(だいたい妊娠を確認するのは5週前後になります)

今回は不妊治療の全体像を簡単にお伝えしました

外来受診の頻度や治療方法の種類などもっと詳しく知りたい方はまた別の記事で書こうと思うのでお待ち下さい(*^^*)

不妊治療の費用は??

次に不妊治療の費用について解説します💰

「不妊治療 = 自費診療 = 高額」というイメージがあるのではないでしょうか?👀

しかし、2022年4月より不妊治療の多くが保険適応になり自己負担は原則3割!

高額療養費制度を利用できる場合もあるため、金銭的な負担が大きく軽減されましたヽ(^o^)丿

保険適用となったものは次のとおりです

※出典 厚生労働省「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック

次に保険診療の目安を以下に示します

⚠卵巣の刺激方法や診察の回数、採取できた卵子や胚の個数などによって金額は大きくことなるのであくまで目安であることをご了承くださいm(_ _)m

この中には書かれていない薬代の負担が人によっては大きいです

一例を挙げると、卵胞を刺激して発育させる薬にFSH製剤というものがあります

FSH製剤の値段は1本1万〜3万円程度で、1日1本使用し1週間前後投与します😱

⚠繰り返しになりますが、上の表はあくまで目安であって個人により大きく異なることをご注意ください!

もう1つの注意点として、生殖補助医療の保険適応には年齢と回数において条件があります!!

子供1人を授かるまでに使用できる回数が年齢によって異なり、

40歳未満の場合は胚移植6回まで

40歳以上43歳未満の場合は3回までが保険適応になります

43歳以上の方は自費診療となります💦

この回数は、出産するとリセットされます

また、上記の保険とは別に地方自治体によっては不妊治療の助成金制度があるのでお住まいの自治体に確認することをおすすめします

最後に

いかがでしたでしょうか?

今回は不妊治療に関する基礎知識や費用について解説しました

不妊治療に関してのモヤモヤが解消されましたでしょうか?👀

大事なのはきちんとした知識を持ったうえで夫婦で十分話し合って選択をされることです💡

個人差があるので一概には言えませんが、まずはご自身の年齢と照らし合わせて今後の人生設計の参考になれば幸いです✨

最後までお読み頂きありがとうございました(*˘︶˘*).。.:*♡

【参考文献】

・一般社団法人 日本がん・生殖医療学会

・データから考える 不妊症・不育治療 希望に応える専門外来の診療指針 改訂第2版

・はじめての不妊治療 体外受精と検査

・東京新聞 不妊治療 保険拡大スタート 効果と負担 どう選択

コメント

タイトルとURLをコピーしました