高齢だと妊娠しにくいのはどうして?

不妊治療

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こんにちは!産婦人科Dr.ずーです!

まだ医師になりたてのヒヨコで、日々たくさんの経験を積んでいます。

患者さんの疑問や不安についてブログならもっと分かりやすく解説できるのではないかと思い投稿を始めました(#^^#)

私について興味をもって下さった方はこちらの記事を読んで頂けると嬉しいです🥰

こんにちは!産婦人科Dr.ずーです🐣
産婦人科医をしながらどうしてブログを始めようと思ったか。自己紹介を兼ねてお伝えします!

はじめに

今回は年齢と妊娠の関係について解説していきます!

高齢であるほど妊娠がしにくく、また妊娠しても流産したり染色体異常が起こりやすかったりなどリスクが高くなるのはなんとなくご存知なのではないでしょうか?

確かに若い時に妊娠したほうがいいっていうイメージはあるかな〜

妊娠は若いうちにしたほうがいいのは知ってるけど今はまだ仕事に集中したいし、、、

妊娠と仕事のバランスって考えれば考えるほど難しいですよね(^_^;)

情報が曖昧なままで考えると不安が大きくなるもの。。。。

この記事で知って頂いて少しでも不安が軽くなれば嬉しいです🥰

では早速いきましょーーー!!!

ズバリ!年齢別の妊娠率は!?

女性の年齢は不妊治療の最も重症な因子です

症例の相談をするときに必ず年齢は考慮されます

日本における女性の初婚平均年齢は2022年の時点で29歳であり、第一子出生時の母体平均年齢もこの50年間で25歳から30歳へ上昇しており、年齢はさらに大きな影響を与えています

年齢が妊娠率にどう影響するかみてみましょう!!

引用:MSara Rosenthal.The Fertility Sourcebook.Third Edition より

また、20歳前半の妊孕率を100%としたときの相対的な変化を示しています

出典:一般社団法人日本生殖医学会

出産率は30歳から徐々に減少し、35歳からは一気に減少してるのがわかります

めっちゃ減るやん!!!!!

そうですね。。。

年齢の影響がどうしてこれだけあるのか、次に原因について見ていきましょう

高齢であるほど卵巣への影響は大きい

年齢が及ぼす卵子の”数”への影響

年齢は卵子の「数」と「質」へ大きく影響します

卵巣にはたくさんの卵胞が存在しています

原始卵胞はお母さんのお腹にいる時に減数分裂がスタートし、途中でストップします

卵細胞はこのタイミングが最大数であり、これ以上増えることはありません。そのため年齢を重ねるごとに減少の一途をたどることになります(^_^;)

お母さんのお腹にいるときには約800万個、出生時は約200万個存在しますが、年齢とともに減少していき思春期には5〜10万個となり、35歳を超えると減少のスピードが加速します。そして閉経時には0個となります。

出典:データから考える 不妊症・不育症治療ー希望に応える専門外来の診療指針

卵胞の数はどうやってわかるの?

良い質問ですね!!
実際に何百万個もの卵胞が観察できるわけではありません。

”AMH”というホルモンの値を測定して卵巣の予備能を測ります!

AMHとは「抗ミュラー管ホルモン(Anti-Mullerian-Hormone)」の略です

AMHは発育途中にある卵胞から分泌されるホルモンであり、今後成熟卵胞になる卵胞の数と比例すると考えられています

つまり、AMHは卵胞の「在庫数」を示す指標になります

25歳から評価が可能で、年齢ごとの平均値は以下のとおりです

*ただし、40歳未満で10ng/ml以上、40歳以上で5ng/mlを超えるような異常高値は、妊孕性が高いわけではなく、多のう胞性卵巣症候群のような排卵障害などの可能性があるので注意が必要です

年齢平均AMH値(ng/ml
254.0
303.0
352.0
401.0
450.5
500

AMHは「在庫数」であって、「質」ではないことに注意が必要です

そのため採卵ができればAMHが低いからといって妊娠率が低いとは言えません

また、AMHは個人差が大きいため若くても低い人もいれば年齢が高くても数値が高い人もいます

不妊治療では年齢に加えてAMHの値も考慮して適切な卵巣刺激法を選択します

年齢が及ぼす卵子の”質”への影響

妊娠にとって、卵子は数だけでなく「質」も大事になってきます

卵胞の質はどうやってわかるの?

卵子の質は測定することができません。。。。

しかし、加齢に伴い卵子の質は低下すると考えられており、卵子の質が低下すると染色体異常や受精後の卵の発育障害や流産と関係しています

以下に示すように、年齢とともに染色体異常や流産の発生率は増加します

出典:一般社団法人日本生殖医学会

出典:新型出生前診断 NIPT JAPAN

1回の妊娠における流産の頻度は平均でいうと15%ですが加齢とともに増加し、特に40歳以上では約半数が流産します

染色体異常に関しても、20歳を基準として比較すると、ダウン症のリスクは30歳では約1.8倍、35歳では約4.3倍、40歳では15.7倍、45歳では約55.6倍に増加します

これらの数値からわかるように加齢は卵子の質にも大きな影響を与えています

加齢に伴う子宮への影響

子宮もきっと年齢の影響を受けるんでしょー!

子宮はあまり年齢の影響を受けないと言われています!

なぜかというと、子宮は卵巣からの周期的なホルモンの変化により増生と剥離を繰り返しているので再生能力が非常に高いと考えられています

ただ、年齢が上がるにつれて子宮筋腫や子宮腺筋症などの子宮疾患の発生率が増加することによる着床率低下はあります

最後に

いかがでしたでしょうか?

今回は年齢と妊娠の関係について解説させていただきました

良くない内容ばかりだった

そう思いますよね(^_^;)

妊娠において、年齢はとても大きな要素であるため年齢とともに妊娠率が低下することは間違いありません💦

しかし、だからといってなんとなくの知識だけで不安になるものよくありません

個人差があるのは大前提ですが、まずは勇気をもって自分の立ち位置をしっかり認識することが大切です

その上でパートナーとゆっくりできる時間を設けて、どのような選択をするのか十分に話し合う必要があります

妊娠を希望される場合、私達医療従事者が可能な限りサポートさせていただきます🍀

この記事が少しでもあなたのお役に立てたら嬉しいです(*˘︶˘*).。.:*♡

【参考文献】

・データから考える 不妊症・不妊治療ー希望に応える専門外来の診療指針

・はじめての不妊治療 体外受精と検査

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