ピルは危険?安全?産婦人科医が教えるメリットとリスク

婦人科

※当サイトは広告アフィリエイトを利用しています

 

こんにちは!産婦人科Dr.ずーです!

総合病院の産婦人科で専攻医として勤務しながら、専門医取得を目指して日々研鑽を積んでいます。

患者さんの疑問や不安についてブログならもっと分かりやすく解説できるのではないかと思い投稿を始めました(#^^#)

私について興味をもって下さった方はこちらの記事を読んで頂けると嬉しいです🥰

こんにちは!産婦人科Dr.ずーです🐣
産婦人科医をしながらどうしてブログを始めようと思ったか。自己紹介を兼ねてお伝えします!

多くの女性が関心を持ちながらも「なんとなく不安」「副作用が心配」と躊躇しがちなピル(経口避妊薬)について、産婦人科医の視点からメリットとデメリットを詳しく解説します。

この記事を読むことで、ピルに対する漠然とした不安が解消され、自分に合った選択ができるようになります。

なお、ピルがなぜ効くのか、生理の仕組みから知りたい方は、先にこちらの記事を読むとより理解が深まります😊

ピルはなぜ効くの?生理周期の仕組みから徹底解説
ピルはなぜ生理痛やPMSに効くのか、その理由は生理の仕組みにあります。増殖期・分泌期・月経期のメカニズムから、ピルが体に与える変化までを産婦人科医がやさしく解説します。

この記事はこんな人にオススメです!

  • 毎月の生理痛がつらくて悩んでいる方
  • PMS(月経前症候群)でイライラや落ち込みがひどい方
  • ピルを始めたいけど副作用が心配な方
  • ピルについて正確な医学情報を知りたい方
  • 避妊方法を検討している方

【メリット詳解】ピルがもたらす7つの素晴らしい効果

ここからは、ピルのメリットについて、さらに詳しく見ていきましょう。

つらい生理の悩みから解放される

ピルの最も大きなメリットは、生理に関する悩みが劇的に改善されることです。

改善される症状と効果

  • 月経困難症(生理痛)→ 約80%の方で改善
  • 過多月経 → 経血量が30~50%減少
  • 月経不順 → 規則正しい28日周期になる
  • PMS(月経前症候群)→ 約50~70%の方で改善

実際に患者さんから聞く声としては、以下のようなものがあります。

「生理のたびに会社を休んでいたけど、休まなくて済むようになった」

「ナプキンの消費量が半分以下になった」

「生理前のイライラで家族にあたることがなくなった」

「生理用品代が大幅に節約できた」

生理による欠席や欠勤が減ることで、仕事や学業のパフォーマンスが上がります。

鎮痛剤を飲む回数も減り、胃腸への負担も軽くなります。

何より、「次の生理がいつ来るか」という不安から解放されることで、精神的にとても楽になります。

婦人科の病気を予防・治療できる

ピルは、いくつかの婦人科疾患に対して、予防効果や治療効果があります。

子宮内膜症

子宮内膜症は、本来は子宮の中にあるべき内膜組織が、子宮以外の場所にできてしまう病気です。

生理のたびに激しい痛みが起こり、不妊の原因にもなります。

ピルを使うと、病巣の増殖を抑え、痛みを軽減できます。

手術後の再発予防にも高い効果があります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

卵巣に小さな嚢胞がたくさんできて、排卵がうまくいかなくなる病気です。

生理不順や男性ホルモン過多による多毛、ニキビなどの症状があります。

ピルでホルモンバランスを整えることで、これらの症状を改善できます。

がんのリスクを下げる効果がある

ピルには、特定のがんを予防する効果があることが、多くの研究で証明されています。

卵巣がん

リスク低減:約40~50% 使用期間が長いほど効果が高まります。

10年以上使用すると、リスクが半分以下になるというデータもあります。

しかも、この予防効果は、ピルをやめた後も20年以上続きます。

卵巣がんは「沈黙のがん」と呼ばれ、初期症状がほとんどありません。

発見された時には既に進行していることが多い、怖いがんです。

ピルでこのリスクを下げられることは、大きなメリットといえます。

子宮体がん(子宮内膜がん)

リスク低減:約50% こちらも使用期間が長いほど効果が高まります。

予防効果は、ピルをやめた後も10~15年続きます。

子宮体がんは、エストロゲンの過剰な刺激で発生しやすくなります。

ピルに含まれるプロゲステロンが、子宮内膜を保護する働きをするため、がんのリスクが下がるのです。

大腸がん

リスク低減:約15~20% こちらも長期使用でより効果的です。

大腸がんは日本人女性のがん死亡原因の第1位です。

ピルでリスクを下げられることは、見逃せないメリットです。

注意点:

一方で、子宮頸がんについては、5年以上の長期使用でリスクがわずかに上がる可能性が指摘されています。

ただし、これはHPV(ヒトパピローマウイルス)感染との関連が大きいと考えられています。

後ほどデメリットの部分で説明します。

骨粗しょう症を予防できる

エストロゲンには、骨を丈夫に保つ働きがあります。

ピルを飲むことで、適度なエストロゲンが体内に維持され、骨密度を保つことができます。

特に以下のような方には重要なメリットです。 ・早期閉経のリスクがある方 ・無月経が長く続いている方 ・激しいスポーツをしている方(疲労骨折のリスクが高い)

将来、閉経後の骨折リスクを減らすことにもつながります。

美容効果が期待できる

ピルには、美容面でのメリットもあります。

ニキビ・肌荒れの改善 男性ホルモンの働きを抑える効果があるため、皮脂の分泌が正常化されます。

特に、生理前に悪化するニキビに悩んでいる方には効果的です。

約70%の方が改善を実感しています。

海外では、ニキビ治療薬としてピルが処方されることもあります。

ただし、すべてのピルに同じ効果があるわけではないので、美容目的の場合は医師に相談してください。

多毛症の改善 PCOSなどで男性ホルモンが過剰になっている方は、体毛が濃くなることがあります。

ピルで男性ホルモンの働きを抑えることで、この症状を改善できます。

ライフプランを自分で決められる

ピルを使うことで、人生設計の自由度が大きく上がります。

仕事やキャリアに集中できる 「いつ妊娠するか」を自分でコントロールできるため、仕事や資格取得に集中する時期を作れます。

「30歳までにキャリアを築いてから、妊娠を考えたい」といった計画が立てやすくなります。

旅行やイベントを楽しめる 大事な旅行、結婚式、試験、スポーツの大会など、生理が重なると困る予定に合わせて、生理をずらすことができます。

「せっかくの海外旅行が生理で台無し」ということがなくなります。

妊娠のタイミングを選べる 「今はまだ妊娠を望んでいない」という時期に、確実に避妊できます。

そして、「そろそろ子どもがほしい」と思ったら、ピルをやめればすぐに妊娠可能な体に戻ります。

高い避妊効果で安心できる

ピルの避妊効果は、正しく飲めば99.7%以上です。

これは、他の避妊方法と比べて非常に高い数字です。

各避妊方法の成功率比較

  • ピル(正しく使用):99.7%
  • コンドーム(正しく使用):98%
  • コンドーム(一般的な使い方):85%
  • 避妊リング(IUD):99%以上
  • 避妊なし:15%程度

コンドームだけでは避妊が不十分なケースもあります。

破れたり、外れたりするリスクがあるからです。

ピルとコンドームを併用することで、避妊効果をさらに高め、性感染症の予防もできます。

望まない妊娠の不安から解放されることで、精神的にも安定します。

パートナーとの関係も、より安心して築けるようになります。

まさに良いことづくしだね🎶

部長も「女性全員がピルを飲むべきだ」と言われるし、周りの女医さんもピルを飲んでいる人は多いです!

でも、ピルを飲むデメリットもあるでしょ?

デメリットも0ではないです💦

では、次にデメリットについて解説していきます!!

【デメリット詳解】ピルの副作用とリスクを正しく知る

メリットが多いピルですが、デメリットや副作用もあります。

正しく理解して、上手に付き合っていきましょう。

軽い副作用(マイナートラブル)

ピルを飲み始めると、体がホルモン環境の変化に慣れるまで、一時的に不快な症状が出ることがあります。

ただし、多くの場合、2~3か月で自然に治まります。

よくある副作用と発生率

不正出血:約20~30% ピルを飲み始めて最初の1~3か月に起こりやすい症状です。

生理以外の時期に、少量の出血があります。

これは、体がホルモン環境に慣れていく過程で起こる正常な反応です。

ほとんどの場合、3か月以内に治まります。

吐き気・嘔気:約10~15% 特に朝起きた時や、空腹時に感じやすい症状です。

食後に飲む、就寝前に飲むなど、タイミングを工夫すると軽減できます。

それでも続く場合は、種類を変更することで改善することが多いです。

頭痛:約10% 軽い頭痛を感じることがあります。

ただし、激しい頭痛や、急に起こる頭痛は、血栓症の警告サインの可能性があります。

この場合はすぐに医療機関を受診してください。

乳房の張り・痛み:約15% 胸が張って痛むことがあります。

これも1~2か月で落ち着くことが多いです。

きついブラジャーを避け、締め付けの少ない下着を選ぶと楽になります。

むくみ・体重増加:約5~10% プロゲステロンの作用で、体が水分をため込みやすくなります。

1~2kgの体重増加を感じる方もいますが、大幅に太ることは稀です。

適度な運動や、塩分を控えた食事で改善できます。

対処法のポイント

  • 飲むタイミングを工夫する(食後、就寝前など)
  • 水分をしっかり摂る
  • 3か月は様子を見る(多くの症状は自然に治まる)
  • 改善しない場合は、種類の変更を相談する

ピルにはいくつかの種類があり、含まれるホルモンの種類や量が少しずつ違います。

ある種類で副作用が強く出ても、別の種類に変えることで改善することがよくあります。

我慢せずに、医師に相談してください。

血栓症のリスク(最も注意すべき副作用)

ピルの副作用で最も注意が必要なのは、「静脈血栓塞栓症(VTE)」です。

静脈血栓塞栓症(VTE)とは 血管の中で血液が固まり(血栓)、血液の流れを止めてしまう状態のことです。

主に脚の深い部分の静脈で起こります(深部静脈血栓症:DVT)。

この血栓が肺に飛んでしまうと、「肺塞栓症(エコノミークラス症候群)」となり、最悪の場合、命に関わります。

発生頻度の比較

  • ピルを飲んでいない女性:1万人あたり年間1~5人
  • ピルを飲んでいる女性:1万人あたり年間3~9人
  • 妊娠中の女性:1万人あたり年間5~20人
  • 出産直後の女性:1万人あたり年間40~65人

ピルを飲むとリスクは上がりますが、妊娠中や出産後よりは低いことがわかります。

それでも、完全にゼロではないため、注意が必要です。

こんな症状が出たらすぐに受診!ACHES(エイクス)

血栓症の初期症状を覚えておくために、「ACHES(エイクス)」という覚え方があります。

A:Abdominal pain(アブドミナル・ペイン)→ 激しい腹痛 突然の激しい腹痛が起こったら要注意です。

C:Chest pain(チェスト・ペイン)→ 激しい胸痛、息苦しさ 突然の胸の痛みや、息が苦しくなったらすぐに受診してください。

H:Headache(ヘッドエイク)→ 激しい頭痛 今までに経験したことのないような激しい頭痛、突然の頭痛は危険信号です。

E:Eye/Speech problems(アイ/スピーチ・プロブレムズ)→ 目や言葉の異常 急に見えにくくなった、視野が欠ける、ろれつが回らない、うまく話せないといった症状です。

S:Severe leg pain(シビア・レッグ・ペイン)→ 脚の激しい痛み ふくらはぎに突然の激しい痛み、腫れ、熱感、赤みが出た場合です。

これらの症状が「突然」現れた場合は、すぐにピルの服用を中止して、医療機関を受診してください。

夜間や休日でも、救急外来を受診することをおすすめします。

血栓症のリスクを高める要因 以下に当てはまる方は、リスクが高くなります。

喫煙:特に35歳以上で1日15本以上吸う方は絶対に禁忌です。

タバコは血管を収縮させ、血液を固まりやすくします。

ピルとの併用で、血栓症のリスクが大幅に上がります。

ピルを飲むなら、必ず禁煙してください。

肥満:BMI(体格指数)が30以上の方 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算できます。

例:体重75kg、身長150cmの場合 → 75÷1.5÷1.5=33.3 肥満があると、血液がドロドロになりやすく、血栓ができやすくなります。

長時間の同じ姿勢:デスクワーク、長時間フライトなど 脚の血流が悪くなり、血栓ができやすくなります。

こまめに立ち上がって歩く、足首を動かすなどの工夫が必要です。

家族歴:血栓症になった家族がいる方 遺伝的に血が固まりやすい体質の可能性があります。

必ず医師に伝えてください。

年齢:40歳以上の方 年齢とともに血管の柔軟性が失われ、血栓症のリスクが上がります。

血栓症を予防するために ・十分な水分を摂る(1日1.5~2リットルが目安) ・適度な運動を心がける ・長時間の同じ姿勢を避ける(1時間に1回は立ち上がる) ・禁煙する(必須) ・定期的に医師の診察を受ける

子宮頸がんのリスクがわずかに上がる可能性

ピルを5年以上長期間使用すると、子宮頸がんのリスクがわずかに上昇する可能性が報告されています。

ただし、これにはいくつかの背景があります。

子宮頸がんの主な原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染です。

ピルを使用している方は、性交渉の機会が多い傾向があり、HPVに感染するリスクも高くなります。

そのため、ピル自体が直接の原因なのか、性行動の違いが原因なのかは、はっきりしていません。

対策

  • 定期的に子宮頸がん検診を受ける(1~2年に1回)
  • HPVワクチンを接種する(推奨)
  • パートナーとの性交渉ではコンドームも使用する

これらの対策をとることで、リスクを大幅に減らすことができます。

既存のがんを悪化させる可能性

すでに乳がんや子宮体がんと診断されている方、またはその疑いがある方は、ピルを使用できません。

ピルに含まれるホルモンが、これらのがんを増悪させる可能性があるためです。

そのため、ピルを始める前には、適切な検査を受けることが重要です。

乳がん検診や婦人科検診を定期的に受けている方は、より安心して使用できます。

毎日飲む手間と費用がかかる

ピルは、毎日決まった時間に飲む必要があります。

飲み忘れると、避妊効果が下がったり、不正出血が起こったりします。

費用

  • OC(自費):月額約2,000~3,000円、年間約24,000~36,000円
  • LEP(保険適用):月額約500~2,000円、年間約6,000~24,000円

継続的な費用がかかるため、経済的な負担を感じる方もいます。

ただし、生理用品代の節約、鎮痛剤の減少、仕事や学校の欠席が減ることを考えると、トータルではプラスになることも多いです。

通院の手間 初回:問診、診察、検査 定期処方:3~6か月ごと 定期検査:血液検査、血圧測定など

通院の時間が取りにくい方は、オンライン診療を利用する方法もあります。

飲み忘れのリスク

ピルは毎日飲むことで効果を発揮します。

飲み忘れると、以下のような問題が起こります。

・避妊効果が低下する ・不正出血が起こる ・ホルモンバランスが乱れる

飲み忘れを防ぐコツ

  • スマホのアラームを設定する
  • 毎日の習慣(歯磨き、就寝前など)と紐づける
  • ピルケースを使って、飲んだかどうかを確認しやすくする
  • パートナーに協力してもらう

工夫次第で、飲み忘れは十分に防げます。


【禁忌】ピルを使えない人

ピルは誰でも使えるわけではありません。

安全に使用するために、使えない人、注意が必要な人を知っておきましょう。

ピルを絶対に使えない人(絶対的禁忌)

以下に当てはまる方は、ピルを使用できません。

  • 血栓症(血が固まって血管に詰まる病気)になったことがある
  • 現在、血栓症がある
  • 35歳以上で、1日15本以上タバコを吸っている
  • 前兆(キラキラした光が見えるなど)のある片頭痛がある
  • 乳がんと診断されたことがある、または疑いがある
  • 子宮体がんと診断されたことがある、または疑いがある
  • 重度の肝機能障害がある
  • 妊娠中、または妊娠している可能性がある
  • 授乳中(産後6か月未満)
  • 長期間安静が必要な大きな手術を予定している

これらに該当する場合、ピルは使用できません。

他の方法を医師と相談してください。

医師にしっかり相談して、リスクとメリットを比較検討してください。

最後に

いかがでしたでしょうか?

今回は、ピルのメリットとデメリットについて詳しく解説しました。

私が産婦人科医として患者さんを診ている中で、ピルを飲み始めて「人生が変わった」とおっしゃる方をたくさん見てきました。

「毎月の生理が怖くなくなった」 「仕事に集中できるようになった」 「パートナーとの関係がより良くなった」

こうした声を聞くたびに、正しい情報を伝えることの大切さを実感します。

実際、医療現場で働く多くの女性医師も、ピルを使用しています。

それは、メリットとデメリットを正しく理解した上で、自分の人生を自分でコントロールする手段として有効だと実感しているからです。

大切なのは、正しい知識を持つことです。

「なんとなく怖い」という漠然とした不安ではなく、科学的な根拠に基づいた情報をもとに判断してください。

自分の体質やライフスタイルに合うかどうか、医師とよく相談してください。

ピルの違いについて知りたい方はこちらの記事を参考にしてみて下さい♪

この記事を読んで、毎月つらい思いをしている人が少しでも減ったら嬉しいです(#^^#)✨

最後までお読み頂きありがとうございました🥰

【参考文献】

産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023

日本産科婦人科学会「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤ガイドライン(2020年度版)」

WHO(世界保健機関)「Medical eligibility criteria for contraceptive use (2015)」

日本女性医学学会「ホルモン補充療法ガイドライン2017年度版」

厚生労働省「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」

コメント

タイトルとURLをコピーしました