最近、外来でこんな質問をよく受けます。

妊娠中なんですが、飛行機に乗っても大丈夫ですか?
里帰り出産の予定がある方、旅行を考えている方、 本当にたくさんの妊婦さんが気にされていますよね。
今回は、飛行機搭乗の安全性・ベストな時期・航空会社ごとのルール の3つをまとめて解説します!
ぜひ最後まで読んでみてください😊
【妊娠中の飛行機搭乗は安全?医学的な根拠をわかりやすく解説】

妊娠中に飛行機に乗ったら赤ちゃんに悪い影響があるって聞いたんですが…本当ですか?

結論からお伝えすると、基礎疾患や合併症のない健康な妊婦さんであれば、飛行機への搭乗は原則として安全とされています!
世界的な産婦人科のガイドライン(=医療の世界共通ルール集)でも、 妊娠中の航空旅行を明確に禁止した記載はありません。

でも飛行機に乗ると早産になるって聞いたことある!
これもよく聞かれる心配ですよね。 でも安心してください。
客室乗務員さんを含めた研究でも、 飛行機に乗ること自体で早産リスクが上がるという根拠は乏しい とされています。
IATA(国際航空運送協会=世界の航空会社が加盟する国際機関)の指針では、
- 1人の赤ちゃんを妊娠している場合 → 36週まで搭乗可能
- 双子などを妊娠している場合 → 32週まで搭乗可能
とされています。
ただし、これはあくまでも一般的な目安です。 妊娠経過によって判断が変わることもありますので、 乗る前には必ず産婦人科に相談してくださいね!
【何週まで乗れる?飛行機に乗るベストな時期はいつ?】

結局、何週のときが一番安心して乗れるんですか?
飛行機に乗るのに最も適した時期は、 妊娠16〜27週の「妊娠中期」です✨
| 時期 | 注意点 |
|---|---|
| 妊娠初期(〜15週ごろ) | つわりがつらい時期・流産リスクが比較的高い時期 |
| 妊娠中期(16〜27週)✨ | 心身が最も安定!旅行に最もおすすめ |
| 妊娠後期(28週以降) | 早産リスクが高まる・長時間の移動は慎重に |
妊娠初期はつわりがつらかったり、流産のリスクが高い時期です。 できるだけ長時間の移動は避けましょう。
妊娠後期になると、早産のリスクや体への負担が増してきます。 特に34週以降は、慎重な判断が必要です。
もし旅行や帰省の予定を立てるなら、ぜひ妊娠中期を狙ってみてください!
【機内での注意点|妊婦さんが気をつけるべき4つのポイント】
飛行機の中は地上と環境が違います。 妊婦さんが特に注意すべきポイントを4つ解説します!
エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)に注意
長時間同じ姿勢で座り続けると、 足の血管(静脈)に血の塊ができやすくなります。
これを「深部静脈血栓症(DVT)」といい、 通称「エコノミークラス症候群」とも呼ばれます。
足にできた血の塊が歩いた拍子に飛び、肺などの血流を止めてしまう(これを肺塞栓症といいます)ことがあります。
最悪の場合、呼吸ができなくなり亡くなる場合もある怖い病気です。

そんな怖い病気なんですね⚡️どうすればいいの?
予防のポイントはこちらです。
- 1〜2時間に1回は立ち上がって足を動かす
- 弾性ストッキング(足に適度な圧力をかけて血流を助ける医療用の靴下)を履く
- 水分をこまめにとる
座席は「通路側」「トイレ近く」を確保
妊娠中はトイレが近くなります。 通路側かトイレに近い席を予約しておくと安心ですよ😊
【航空会社別の搭乗条件まとめ|乗る前に絶対確認して!】

航空会社によってルールが違うって本当ですか?
はい、これが一番大事なポイントです!
航空会社によって、搭乗できる週数や必要な書類が大きく異なります。 知らずに当日空港に行って乗れなかった…なんてことにならないよう、 必ず事前に確認しておきましょう!
以下に代表的な航空会社のルールをまとめました📋 (2025年8月3日現在の情報です)
| 航空会社 | 書類なしで乗れる目安 | 条件付きで乗れる時期 | 搭乗不可 |
|---|---|---|---|
| JAL・ANA(国内線) | 予定日28日前まで | 28日以内:診断書 / 7日以内:診断書+医師同伴 | — |
| JAL・ANA(国際線) | 予定日28日前まで | 28日以内:診断書 / 14日以内:診断書+医師同伴 | — |
| Jetstar | 〜28週 | 29週〜:診断書 or 指定フォーム(10日以内発行) | 36週以降(4時間超の路線) |
| Peach・Skymark | 〜27週 | 28週〜:診断書(7日以内発行) | 36週以降 |
| 大韓航空 | 〜31週 | 32〜35週:診断書+誓約書 | 36週以降 |
| 中国国際航空・中華航空 | 〜27週 | 28週〜:診断書(10日以内発行) | 36週以降 |
| フィリピン航空 | 〜23週 | 24〜32週:EMIS Part1+医師のfit-to-fly / 32〜36週:EMIS Part1/2+航空会社医師承認 | 36週以降 |
| ベトナム航空 | 〜31週 | 32〜36週:MEDIF I+II or 健診記録3部 | 36週以降 |
| シンガポール航空 | 〜28週 | 29週〜:診断書(10日以内発行) | 37週以降 |
| タイ航空 | 〜27週 | 28〜36週:診断書+MEDIF(7日以内発行) | 36週以降 |
| United Airlines | 〜36週 | 36週〜:72時間以内発行の医師証明書 | 37週以降 |
| Delta Airlines | 〜36週 | 医師への相談を推奨(柔軟対応) | 明示なし |
⚠️ ANAは2026年5月19日以降、国内線でも「出産予定日14日以内は診断書が必要」に変更予定です。
⚠️ 航空会社のルールは予告なく変更されることがあります。必ず各社の公式ウェブサイトで最新情報を確認してください。
【診断書って何を書いてもらうの?受診のタイミングは?】

診断書って、産婦人科でもらえるんですか?何を書いてもらえばいいのかわからなくて…
大丈夫です!産婦人科で発行できます😊
診断書に記載する主な内容はこちらです。
- 正常な妊娠経過であること
- 出産予定日
- 健康上、搭乗に支障がないこと
多くの航空会社では、 搭乗日を含む7日以内に発行された診断書が必要です。
フライトの直前に慌てないよう、 余裕を持って産婦人科に相談・受診するようにしましょう!
よくある質問(Q&A)
Q1. 診断書はいくらかかりますか?
A. 診断書の料金は医療機関によって異なります。 一般的に3,000〜5,000円程度であることが多いですが、 受診するクリニックに事前に確認してみてください。
Q2. つわりがひどい妊娠初期でも飛行機に乗れますか?
A. 医学的に禁止されているわけではありませんが、 つわりがひどい時期の長時間移動はとてもつらいですよね😢 体調と相談しながら、できれば妊娠中期(16〜27週)に 旅行の計画をずらすことをおすすめします。
Q3. 双子を妊娠しています。飛行機には乗れますか?
A. 双子などの多胎妊娠の場合、 IATAの指針では32週までが目安とされています。 ただし、航空会社によってさらに制限が厳しい場合もあります。 必ず事前に航空会社と産婦人科の両方に確認してください。
Q4. 飛行機に乗ることで赤ちゃんへの放射線の影響は大丈夫?
A. 飛行機に乗ると地上より少し多く宇宙線(放射線の一種)を 受けることがありますが、1〜2回のフライトであれば 赤ちゃんへの影響はほぼないとされています。 頻繁に長距離国際線を利用する方は、産婦人科に相談してみてくださいね。
Q5. 国内線なら診断書なしで乗れますか?
A. JAL・ANAの場合、出産予定日28日前までは 書類なしで搭乗できます。 ただし、LCC(格安航空会社)はルールが異なりますので、 必ず事前に各社のウェブサイトを確認してください!
まとめ

今回のポイントをまとめます📋
- 健康な妊婦さんなら飛行機搭乗は原則安全
- 乗るなら妊娠16〜27週の中期がベスト
- 機内では水分補給・足を動かす・弾性ストッキングを忘れずに
- 航空会社ごとに搭乗できる週数・必要書類が違うので必ず事前確認
- 診断書が必要な場合は余裕を持って産婦人科を受診
旅行や里帰りを予定している妊婦さん、 「自分の場合はどうすればいいの?」と思ったら ぜひ外来でお気軽に相談してくださいね✈️😊
一緒に安全な旅の計画を立てましょう!
【参考文献】
- ACOG Committee Opinion No.443: Air Travel during pregnancy. Obstet Gynecol. 114: 954–955, 2009
- Royal College of Obstetricians & Gynaecologists. Air Travel and Pregnancy (Scientific Impact Paper No.1). 2013
- International Air Transport Association (IATA). Medical Manual, 12th Edition. 2020 (2025年8月3日現在)
📌 この記事の情報は2025年8月3日時点のものです。航空会社のルールは変更になる場合がありますので、必ず各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。



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