【2026年定期接種開始】妊婦のRSウイルスワクチンは打つべき?産婦人科医が効果・副反応・費用をわかりやすく解説

よくある質問

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こんにちは!産婦人科Dr.ずーです!

総合病院の産婦人科で専攻医として勤務しながら、専門医取得を目指して日々研鑽を積んでいます。

患者さんの疑問や不安についてブログならもっと分かりやすく解説できるのではないかと思い投稿を始めました(#^^#)

私について興味をもって下さった方はこちらの記事を読んで頂けると嬉しいです🥰

こんにちは!産婦人科Dr.ずーです🐣
産婦人科医をしながらどうしてブログを始めようと思ったか。自己紹介を兼ねてお伝えします!

最近、外来でよく聞かれる質問があります。

先生、RSウイルスのワクチン、打った方がいいですか?

令和8年(2026年)4月から、妊婦さんを対象とした
RSウイルスワクチンが定期接種になりました!

「RSウイルスって何?」「赤ちゃんに本当に効くの?」
「副反応は大丈夫?」

そんな疑問に、産婦人科医としてひとつひとつお答えします😊

【結論】

2026年度から、妊娠28週0日〜36週6日の妊婦さんを対象に、RSウイルス母子免疫ワクチンの定期接種が始まりました。妊婦さんが1回接種することで抗体が胎盤を通じて赤ちゃんへ移行し、生後早期のRSウイルスによる重症下気道感染症を予防します。ただし、すべての感染を防ぐワクチンではなく、接種から出産まで14日未満の場合の有効性は確立していません。

【RSウイルス感染症とは?赤ちゃんへの重症化リスクを知ろう】

RSウイルスってどんなウイルス?

RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus=呼吸器に感染するウイルスの一種)は、
子どもから大人まで、生涯を通じて何度でも感染するウイルスです。

主な症状は、発熱・鼻水・咳など、
一般的な風邪によく似た症状です。

風邪みたいなものなら、そんなに心配しなくていい?

実は、赤ちゃんへの影響が大きいんです!

2歳までに、ほぼすべての赤ちゃんが少なくとも1度は感染する
というほど、とても身近なウイルスです。

赤ちゃんが感染するとどうなるの?

感染した赤ちゃんの約7割は軽症で、数日以内に回復します。

ところが、残りの約3割では咳が悪化し、喘鳴(ゼーゼーする呼吸)や呼吸困難、細気管支炎などがみられることがあります。すべての赤ちゃんが入院するわけではありませんが、月齢が低いほど注意が必要です。

重症化すると、細気管支炎(気管支の細い部分に炎症が起きる病気)や
肺炎を引き起こし、入院が必要になることもあります。

どれくらいの赤ちゃんが入院するの?

2010年代の日本のデータを見てみましょう。

年間12万人〜18万人の2歳未満の赤ちゃんが
RSウイルス感染症と診断されています。

そのうち、3万人〜5万人が入院を要したとされています。

たくさんの赤ちゃんが入院してるんだね⚡️

特に注意が必要な赤ちゃんは?

次のような赤ちゃんは、特に重症化しやすいとされています。

  • 早産で生まれた赤ちゃん(体や肺が十分に発達していないため)
  • 先天性心疾患(生まれつき心臓に異常がある)のある赤ちゃん
  • 免疫不全(病気と戦う力が弱い状態)の赤ちゃん
  • 生後まもない新生児(特に生後6か月未満、中でも生後数週〜数か月の赤ちゃんは重症化に注意が必要です)

お母さんから抗体(病気から守るタンパク質)をもらっているから問題ないんじゃないの??

実はここが大切なポイントです!

お母さんから胎盤を通じて移行した抗体は、
生後しばらくで急速に減ってしまいます。

そのため、生まれて間もない時期が最も無防備で、
この時期にRSウイルスにかかると特に重症化しやすいのです。

【妊婦RSウイルスワクチン(母子免疫)の仕組みと予防効果】

どんなワクチン?赤ちゃんにどうやって効くの?

今回の定期接種で使われるのは、
**ファイザー社「アブリスボ®(Abrysvo)」**という組換えワクチンです。

**「組換えワクチン」**とは、ウイルスそのものを使わず、
ウイルスの一部(タンパク質)だけを人工的に作って使うワクチンのことです。

赤ちゃんじゃなくて、お母さんに打つの?

そうしたら結局生まれてから抗体は減るんじゃないの?

そうなんです!これが今回のワクチン最大の特徴です

「母子免疫」って何?

お母さんに打つ → 体内で抗体が作られる →
胎盤を通じて赤ちゃんに移行する。これにより、生まれた直後からRSウイルス感染症、特に重症化に対する予防効果が期待できます。

このしくみを**「母子免疫」**と呼びます。

生後まもない赤ちゃんは、自分でワクチンを打つことができません。

だからこそ、お母さんを通じて赤ちゃんを守るこの方法は、
非常に理にかなっているのです😊

ワクチンの予防効果は?

臨床試験(実際に人に打って安全性・効果を確認する試験)では、
以下の予防効果が報告されています。

評価項目生後0〜90日生後0〜180日
医療受診が必要な下気道感染症の予防効果約6割約5割
重症下気道感染症の予防効果約8割約7割

100%じゃないんだ…

ワクチンはすべての感染をゼロにするものではありません。

しかし、重症化を防ぐことが最大の目的であり、
生後3ヶ月以内(0〜90日)での効果が特に高いことがわかります。

赤ちゃんが最もリスクの高い時期を、しっかり守ることができます。


【定期接種の時期・費用・副反応と安全性について】

いつ打てばいいの?

接種対象:妊娠28週0日〜36週6日の妊婦さん

この期間中に1回だけ接種します。

前回の妊娠でRSウイルスワクチンを接種したことがある方も、
今回の妊娠では改めて接種の対象になります。

なお、アブリスボは薬事承認上は妊娠24〜36週に接種できますが、公費による定期接種の対象期間は妊娠28週0日〜36週6日です。妊娠24〜27週に接種する場合は定期接種の対象外となる可能性があるため、費用を含めて医療機関や自治体に確認してください。

また、ワクチン接種から出産までの期間が14日未満の場合、赤ちゃんへの予防効果は確立していません。計画分娩や早産の可能性などから妊娠38週6日までの出産が見込まれる場合は、接種時期を担当医と相談しましょう。

費用・接種場所は?

定期接種はお住まいの市町村で実施されます。

費用や接種できる医療機関については、
お住まいの市町村へお問い合わせください。

里帰り出産でほかの市町村で接種を希望する場合も、
まずはお住まいの市町村にご相談ください。

副反応(ワクチンを打った後に起こりうる体の反応)は?

主な副反応は以下のとおりです。

  • 接種部位の症状:痛み・腫れ・赤み
  • 全身症状:頭痛・筋肉痛

これらは多くの場合、数日以内に自然に回復します。


妊娠高血圧症候群との関係は?

海外で妊娠高血圧症候群が増えたという報告を聞いたんですが…

妊娠高血圧症候群(妊娠中に血圧が高くなる病気)との関連について、
海外の一部から報告があることは事実です。

ただし、薬事承認(国が安全・有効と認めること)に使われた
臨床試験では、発症リスクの増加は認められませんでした。

海外の一部報告は「解釈に注意が必要」とされており、
現時点では定期接種として推奨されています。

接種後に気になる症状があれば、必ず接種した医療機関にご連絡ください。

健康被害救済制度があります

予防接種は感染症を防ぐために重要ですが、
ごくまれに副反応による健康被害が起きることがあります。

万が一の場合に備え、救済制度が設けられています。

対象は接種を受けた妊婦さんご本人と、生まれた赤ちゃんです。

申請は、接種時に住民票があった市町村へご相談ください。

接種できない方・事前に相談が必要な方

発熱中、重い急性疾患にかかっている、ワクチン成分でアナフィラキシーを起こしたことがある場合は接種できません。また、妊娠高血圧症候群の既往・高リスク、血小板減少、凝固障害、抗凝固薬の使用、重い基礎疾患がある場合は、接種前に担当医へご相談ください。

よくある質問(Q&A)

Q1. 前回の妊娠でRSワクチンを打ちました。今回も打つ必要がありますか?

A. はい、今回の妊娠でも接種の対象になります。
今回の赤ちゃんへの予防のために、改めて接種が推奨されます。


Q2. 28週より前に打ってしまったらどうなりますか?

A. 定期接種の対象は妊娠28週0日〜36週6日の間です。
この期間外での接種については、担当の産婦人科医にご相談ください。


Q3. ワクチンを打っても赤ちゃんがRSウイルスにかかることはありますか?

A. はい、感染することはあります。
ワクチンの主な目的は感染ゼロではなく、重症化を防ぐことです。
特に生後3ヶ月以内の効果が高いとされています。


Q4. 他のワクチンと同時に打てますか?

A. 医師が特に必要と認めた場合は、
他のワクチンとの同時接種が可能です。


Q5. 里帰り出産でも打てますか?

A. 打てます。
お住まいの市町村に事前にご相談いただく必要があります。


まとめ

今回のポイントをまとめます

✅ RSウイルスは2歳までにほぼ全員が感染する、身近なウイルスです
✅ 初感染の乳幼児の約3割では、咳の悪化や喘鳴、呼吸困難などがみられることがあります
✅ 令和8年4月から、妊娠28週0日〜36週6日の妊婦さんに定期接種が開始されました
✅ お母さんが打つことで、赤ちゃんが生まれた直後からの重症化予防が期待できます
✅ 生後3か月以内の重症下気道感染症を約8割予防します
✅ 副反応は接種部位の痛みや頭痛が主で、多くは一時的なものです

「打った方がいいですか?」と聞かれたら、
私は「ぜひ前向きに検討してください」とお伝えしています。

特に、上のお子さんが保育園に通っているご家庭では、
赤ちゃんがRSウイルスにさらされるリスクが高くなります。

ご自身の体の状態や不安なことは、
ぜひ担当の産婦人科医に気軽に相談してみてください😊

最後に

最後までお読みいただきありがとうございます☺

「外来でよく聞かれるからこそ、正しい情報を届けたい!」
という思いでこの記事を書きました。

ワクチンのことは難しく感じるかもしれませんが、
赤ちゃんを守るための大切な選択肢のひとつです。

この記事が少しでもお役に立てたなら、産婦人科医として嬉しいです(˘︶˘).。.:*♡

「こんなことも知りたい」「これって大丈夫?」
そんな疑問や不安があれば、ぜひコメントや診察でお聞かせください。

皆さんの健やかな妊娠・出産を心から応援しています🌸


【参考資料】

  • 国立健康危機管理研究機構:RSウイルス感染症(詳細版)
  • 厚生労働省:令和8年度からのRSウイルス感染症に対する母子免疫ワクチン定期接種(2026年4月)

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