はじめに
妊婦健診で、血液検査や尿検査、エコーなどをすると思いますが、一体先生方は何を確認しているのでしょう(・・?
今回は、妊婦健診でみているポイントを解説していこうと思います✨
どの週数にも共通しているのが、”妊娠に影響を与えるような合併症がないかの確認”です。
具体的には、
- 流産や早産の可能性はないか
- お母さんは大丈夫か(糖代謝異常、妊娠高血圧症候群など)
- あかちゃんは大丈夫か(胎児発育不全、胎児機能不全など)
- 他のも大丈夫か(胎盤とか羊水量とか)
などを確認しています。
出典:病気がみえる vol.10 産科(第4版)
こんなにもたくさんのことをみているのか⚡
そうなんです!!そのために体重や血圧測定、血液検査、尿検査やエコーなどたくさんの検査をします⚡
その中で皆さんが特に気になっているのはズバリ!!!
「おなかのエコーで一体何をみているんだろう?」
っていう疑問ではないでしょうか?(・∀・)
(偏見でしたらすいません💦笑)
ということで、今回はお腹のエコーで何を確認しているのかを説明します!!
腹部エコー(全体)
腹部エコーでは次のことを確認しています
- 分娩予定日の決定
- 赤ちゃんの推定体重
- 頭の大きさ
- 腹囲
- 太ももの骨
- 羊水の量
では1つずつ見ていきましょう!!
分娩予定日の決定
正確な分娩予定日は、流早産、胎児発育不全、過期妊娠などの診断に必要なので、妊娠初期(妊娠13週6日)までに決めないといけません⚡
人工授精や体外受精など生殖補助医療によって妊娠した場合だと、受精日ははっきりしているから問題ありません。
しかし、最終月経から予定日を決める場合は、たとえ生理の周期が規則正しくても約半数で予定日が正しくないです💦
全然当てにならんやん⚡
なので、実際の妊娠週数と乖離がないかを確認するためにエコーをします👀
妊娠11週までなら頭殿長といって頭からお尻までの長さを測ります。妊娠11週以降の場合は、児頭大横径といって、頭を計測して確認します。
出典:病気がみえる vol.10 産科(第4版)
最終月経から算出された妊娠週数とエコーで確認した週数が結構離れていたら(7日以上のずれ)、エコーで確認した予定日を優先します!!
そもそも妊娠週数の数え方がよくわからない。。。
妊娠週数って〇〇ヶ月とか、△△週っていったりして難しいですよね💦
妊娠週数についてこちらの記事でわかりやすく解説されているのでぜひ参考にしてください(*^^*)
赤ちゃんの推定体重
皆さんが一番気になるところがここですよね!!
よくわからんけど、いろんなところを測って、『あかちゃん元気に育ってますね』っていわれて終わった
3D写真は鼻とか目の位置を教えてくれるからまだ分からなくもないけど、、、
さっきのはいったいなんやったんやろう?
的な(笑)
ということで解説にいきましょーーー!!!
突然ですが、赤ちゃんがちゃんと成長しているかってどうやってみていると思いますか?
子どもだと、身長と体重で測るよね
お腹の中にいる赤ちゃんは身長も体重も測れないですよね
なので、特定の部位の大きさを測ることであかちゃんの推定体重を計っています
だいたいの体重を予想して、妊娠週数の割にどれくらい成長しているかを確認しています
特定の部分というのが、「頭」「お腹」「太ももの骨」です。
実際エコーでみえる画像も載せますね
出典:病気がみえる vol.10 産科(第4版)
白黒でよくわからない。。。
いかがですか?
こんな白黒画像を出されてもよく分からないですよね💦
(これめっちゃ分かりやすい方なんですよ)
先生は慣れているからどんどん進んでいっちゃうし。。。。。。
「まー、こんなものを測っているんだなー」
って程度で認識して頂ければ私的には万々歳です(*^^)v
重要なのは、「あかちゃんが週数相当の重さまで成長しているか」の確認ですから!!!
あかちゃんの大きさが丁度いいか、小さいかなどは頭・お腹・太ももの骨の大きさからエコーの機械が勝手に計算してくれます👀
計算したものが推定胎児体重となります(推定胎児体重のを下に示します)
大きいか小さかというのを「SD値」というもので評価し、これが-1.5SD ~ 1.5SDの範囲内の場合は問題ありません。
(ただし、エコー画面上に数字で小さく記載されていることが多いので自分で見つけることが難しいと思います💦)
逆に、-1.5SDより小さい数値になると胎児の発育が十分ではない可能性がでてきます(^_^;)
1回でも-1.5SDより小さくなったらダメなの?
発育の評価は、1回の結果でみるわけではありません!!
今までの推定体重の推移など全体をみて総合的に判断します。
もし推定胎児体重が小さめだとしても焦らないでください🥺
というのも、「推定」胎児体重というように、その日の赤ちゃんの向きなどで多少ばらつきがでちゃうんですよね💦
おおよそ±10%程度誤差がある場合があります。
結構誤差があるんだね!
また、1回体重が小さいと思われる評価だとしても、その後体重が増えているかを経時的に確認しないといけません
あかちゃんの発育を評価するにはある程度時間がかかります(´;ω;`)
不安な日々が続くと思いますが、周りのサポートも借りて辛抱強く経過をみましょう。
羊水の量
推定体重にプラスして、もう1つ評価しているのが羊水量です!
そもそも羊水というのは、「あかちゃんのおしっこ」なんですΣ(・ω・ノ)ノ!
そして、あかちゃんは自分のおしっこを飲んでます!⚡
おしっこを飲んであかちゃんは大丈夫なの!!?
大丈夫です!!
生まれた後に人と違って、老廃物はなくてキレイなんです!!そして、羊水を飲むことで肺の機能を育てています🔥
それ以外にも羊水には下図に示すような働きがあります。
出典:病気がみえる vol.10 産科(第4版)
エコーでは、羊水の量が正常であるかを確認しています。
羊水が少ないと、うまく羊水をつくれていない、子宮の血液循環が悪い、破水して羊水が外へ流出しているなどの可能性を考えます。
逆に羊水が多いと、尿産生量の増加(妊娠糖尿病などで多くなります)や、羊水を上手に飲み込めていない(上部消化管閉鎖など)など可能性が考えられます。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今回は妊婦健診で医者が何を確認しているか、エコーで何をみているかについて解説しました😊
難しい内容も多々あったと思いますが、外来で今までより少しでもわかることが増えると嬉しいです(^^♪
最後まで見て頂き誠にありがとうございました🥰
【参考文献】
産婦人科診療ガイドライン 産科編2023
病気がみえる vol.10 産科(第4版)
「推定胎児体重と胎児発育曲線」保健指導マニュアル 平成24年3月
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