今回はSLEと妊娠について疑問に思うことについて解説したいと思います🎓
まずはじめに
まず、大大大前提として、一般女性の妊娠の場合でも、
- 流産:15%
- 早産:6%
- 低出生体重児:8-10%
- 先天異常:3%
何も病気のない女の人でも結構確率高いな⚡
さらにですよ!!?
1番下の先天異常の中で、薬物が原因の場合はたった1%!!!
(ほとんどは原因不明なんですよね💦)
めっちゃ少ない⚡
ということは、、、、一般女性の場合でも、正常児でない確率はそこそこ高いし、
逆に、薬による赤ちゃんへの影響は0でないにしてもかなり低いです。
つまり私が何を言いたいかというと、、、
もし、赤ちゃんに異常があっても、お母さんの病気や薬のせいではないことがほとんど!!
赤ちゃんに何かあるとつらいと思うけど、自分のことをせめないでね💦
SLEと薬剤
次にSLEの薬剤についてです💊
妊娠中に、、、
使用OKなのは、プレドニゾロン、ヒドロキシクロロキン、タクロリムス、アザチオプリンetc
使用NGなのは、メトトレキサート、シクロホスファミド、セルセプト
⇨妊娠希望の場合は、使用している下段の薬を上段に変えていきます
プレドニゾロンは、胎盤を通りにくいため妊娠管理中に使用されます。
高容量だと口唇口蓋裂(唇がくっつかず裂けている状態)になる可能性がありますが、2000年以降報告はありません。1日10~15mg以下の内服なら問題ありません。
抗SS-A抗体が陽性の場合は、赤ちゃんの心臓に異常が起こる場合があります(先天性房室ブロックといいます)🫀
そのため、抗SS-A抗体陽性の場合は予防や治療目的にステロイドやヒドロキシクロロキンを投与する場合もあります。
ちなみにここで使用されるステロイドは先ほどのプレドニゾロンとは違って、胎盤を通りやすいデキサメタゾンというステロイドを使います(ここら辺は結構専門的な内容です🎓)
妊娠中にSLEの症状がひどくなってきた場合は?
A. 活動性をしっかり抑えるのが最優先!!!
やむを得ず青マーカーで示した薬を使う場合があります💦
理由は、薬の影響よりも活動性UPによる影響(血圧UP、腎障害etc)の方が怖いからです⚡
この内容に関しては、膠原病の先生が特に強調していました🔥
妊娠しても良い条件(3つ)
妊娠しても良い条件は3つあります
- 症状が安定している状態:少なくとも6ヵ月以上維持されている
- メトトレキサート:少なくとも1月経周期あける
- セルセプト:6週間あける
特に大事な1番について解説します
1、症状が安定している状態:少なくとも6ヵ月以上維持されている
これが1番大事‼️
なんでそんなに大事なの?
コントロール不良だと。。。
💀妊娠中にSLE増悪のリスクUP=臓器障害を残す可能性UP
💀妊娠高血圧腎症など、産科合併症の頻度UP
💀流死産や低体重児など胎児への影響UP
最悪の場合、母児ともに命の危険にさらされます⚡
だから妊娠中にSLEの症状が悪化したときには、症状を抑えることを優先するんだね!!
最後に
いかがでしたか?
専門的な内容も含め結構詳しく説明をしましたが、特に伝えたいのは次の2つです
①赤ちゃんに問題が起こっても自分を責めないで‼️
②しっかり症状を安定させて、医者がOKをだしてから妊娠しましょう‼️
この内容が少しでもお役に立てれば光栄です☺️
*あくまで参考です。症状など人それぞれ違うので、詳しくはかかりつけの先生と相談してください
【参考文献】
膠原病の教授から頂いた資料
全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019
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