子宮内膜症とは?症状・治療法を産婦人科医がわかりやすく解説【2025年最新版】

不妊治療

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こんにちは!産婦人科Dr.ずーです!

まだ医師になりたてのヒヨコで、日々たくさんの経験を積んでいます。

患者さんの疑問や不安についてブログならもっと分かりやすく解説できるのではないかと思い投稿を始めました(#^^#)

私について興味をもって下さった方はこちらの記事を読んで頂けると嬉しいです🥰

こんにちは!産婦人科Dr.ずーです🐣
産婦人科医をしながらどうしてブログを始めようと思ったか。自己紹介を兼ねてお伝えします!

不妊治療のクリニックで検査を受けたところ、「子宮内膜症がありますね」と言われました。
月経痛はずっとあったのですが、まさか病気だったとは……。
妊娠できるか不安で、どんな治療をするのか教えてほしいです。

婦人科の定期健診で「卵巣にチョコレート嚢胞がありますよ」と言われました。
痛みはそれほどないのですが、放置しても大丈夫ですか?
がんになると聞いてとても心配です……。

このようなお声は外来でとてもよく聞きます。
「婦人科や不妊治療クリニックで初めて指摘された」という方が多いのが現状です。

子宮内膜症は、生殖年齢の女性の約10人に1人に発症する、
とても身近な婦人科疾患のひとつです。

この記事では、子宮内膜症の原因・症状・治療法まで、
産婦人科医がわかりやすく解説します。ぜひ最後まで読んでみてください💡


【子宮内膜症の症状と診断】月経痛がひどいのは病気のサイン?

子宮内膜症ってどんな病気?

子宮内膜症とは、本来は子宮の内側だけにあるはずの
「子宮内膜」に似た組織が、子宮の外に広がってしまう病気です。

*子宮内膜とは、月経のときに剥がれ落ちる、子宮の内側を覆う組織のことです。

子宮内膜症の組織も月経のたびに出血しますが、体の外には排出されません。
そうすると、炎症が起こって臓器どうしのくっつき(癒着:ゆちゃく)を引き起こし、
慢性的な痛みや不妊の原因となります。

発症のピークは30〜34歳ですが、20代でも発症することがあります。
原因はまだ完全には解明されていませんが、子宮内膜が月経のタイミングで卵管を逆行してお腹の中に飛び散ると考えられたりしています。

子宮内膜症は「慢性疾患」です。
完全に治すというよりも、症状をコントロールしながら生活の質を保つことが治療の目標になります。

よく発生する場所はどこ?

子宮内膜症はいろいろな場所に発生します。

特に多いのが、

1️⃣ ダグラス窩(最も多い)

2️⃣ 卵巣(チョコレート嚢胞)

です。その他にも子宮や卵管付近に発生しますが、まれに肺や腸にも発生することがあります。

*ダグラス窩(だぐらすか)とは、子宮の後ろ側にある子宮と直腸の間の空間のことです。
ここに病変ができると、子宮が後ろに倒れ(後屈)、性交痛や排便痛の原因になります。

こんな症状があったら要注意!

子宮内膜症の2大症状は「痛み」「不妊」です。
特に注目してほしいのが、月経痛の「変化」です。

  • 月経困難症(月経痛):内膜症がひどくなってだんだん痛みが強くなることがあります
  • 骨盤痛・下腹部痛:古い血が固まって月経中以外にも慢性的な痛みがある
  • 性交痛・排便痛:子宮が後ろ側にくっつくことによる症状
  • 不妊症:不妊症の25〜50%が子宮内膜症と関係しているといわれています

⚠️ 見逃しやすいポイント

「月経痛は我慢するもの」と思っていませんか?
以前は我慢できていた月経痛が年々ひどくなっている場合は、
子宮内膜症のサインかもしれません。ぜひ婦人科を受診してください。

どうやって診断するの?

  • 問診:痛みの経過・時期・場所などを確認します
  • 内診:子宮の動きにくさ、ダグラス窩の硬さを確認します
  • 経腟超音波検査(エコー):チョコレート嚢胞の有無を調べます
  • MRI検査:深い部分の病変を調べるときに使います
  • 血液検査(CA125など):悪性との鑑別(参考程度)

確定診断には腹腔鏡(おなかの中を小さなカメラで見る手術)が必要ですが、
「怪しいな」と感じたら確定診断を待たずに治療を始めることも正当化されています。
早めに婦人科へ相談しましょう!


【チョコレート嚢胞と悪性化リスク】放置してはいけない理由

チョコレート嚢胞ってなに?

卵巣に子宮内膜症が発生すると、
古い血液が嚢胞(のうほう:袋状のかたまり)の中に溜まっていきます。

この内容物がチョコレートのような茶褐色をしているため、
「チョコレート嚢胞」と呼ばれます。

チョコレート嚢胞の3つのリスク

  • 破裂・感染のリスク:内容物が漏れ出すと急激な腹痛を起こします
  • 卵巣機能への影響:手術や嚢胞自体が卵巣内にある卵子の残り量(予備能)を低下させる可能性があります
  • 悪性化(がん化)のリスク
    明細胞がん・類内膜がんという卵巣がんの前がん病変とされています。
    40歳以上もしくは嚢胞が10cm以上のものでは卵巣がんの合併率が急増します

⚠️ 特に注意が必要なケース

40歳以上で、嚢胞の大きさが7~8cmを超え急速に大きくなっている場合
②超音波やMRIで嚢胞の内側に「壁在結節(へきざいけっせつ)=でこぼこした突起」がある場合

このような場合は、悪性腫瘍との鑑別のために精密検査が必要です。

経過観察と手術、どちらを選ぶ?

チョコレート嚢胞が見つかった場合の管理は、
年齢・嚢胞の大きさ・症状・妊娠の希望を考慮して決めます。

嚢胞が小さく症状もなければ、定期的なエコー検査で経過を見ることもあります。
一方、薬で症状がよくならない場合や破裂・感染が起きた場合、
病理診断(組織を顕微鏡で調べること)が必要な場合は手術が優先されます。

💡 POINT

手術をすると卵巣機能が下がるリスクもあります。
「手術すれば安心」ではなく、メリット・デメリットを担当医とよく相談して決めることが大切です。


【子宮内膜症の治療法】薬・手術・不妊治療の選び方

治療方針を決める最初の一歩

子宮内膜症の治療方針を決めるとき、
最初に確認するのが「妊娠を希望するかどうか」です。

〜妊娠希望がない場合〜

妊娠の希望がない場合、疼痛の軽減が治療の目的になります。

まずは対症療法(鎮痛薬や漢方)やホルモン療法を行い疼痛の軽減を図ります。

それでも症状が改善しない場合には手術で内膜症をとる手術を行います。

基本的には腹腔鏡手術という手術で治療を行います。これは開腹の手術よりも傷が小さいメリットがあります。

手術が終わった後もホルモン療法を行うことがあります。

なぜかというと、手術後にも内膜症が再発する恐れがあるからです。妊娠希望がない場合は閉経まで飲み続けてもらうことが多いです。

〜妊娠希望がある場合〜

妊娠希望がある場合、不妊治療の改善が治療の目的となります。

鎮痛薬や漢方などの対症療法の使用は同じですが、ホルモン療法は使用しません

OC/LEPなど避妊目的で使用されるように、ホルモン療法は挙児希望がある期間には使用できません。

また、手術に関しては所見次第で行うか判断します。

不妊症の原因なんだから内膜症は取っちゃった方がいいんじゃないの?

もちろん、内膜症を除去することで不妊症の治療となります。その一方で、チョコレート嚢胞などの場合は正常卵巣を傷つけ卵巣機能を下げてしまうデメリットもあります。

産婦人科医でも判断するのが難しく、症例によっては不妊治療の先生に一度相談させてもらいます。

薬物療法:選択肢と特徴

〜対症療法〜

痛みへの治療は、まずNSAIDs(エヌセイズ)と呼ばれる
非ステロイド性抗炎症薬(市販の鎮痛剤に含まれる成分)から始めます。

その他にも漢方も選択肢となりますが個人差は大きいです。


ただし、これはあくまで「対症療法」です。子宮内膜症の進行を止める効果はありません。

〜ホルモン療法〜

ホルモン療法は内膜症の進行予防および縮小効果があります。

しかし、ホルモン療法は不妊症の改善には効果がない点に注意が必要です。

【 第一選択(長期使用向き)】

  • 低用量EP配合錠(LEP)
    ヤーズ®・ルナベル®・ジェミーナ® など。月経痛への効果が高く、連続投与で痛みの日数を減らせます
  • ジエノゲスト(ディナゲスト®)
    黄体ホルモン製剤のひとつ。年齢関係なく長期使用が可能です
  • ミレーナ®(LNG-IUS)
    子宮内に入れる小さな器具。局所的にホルモンを放出し全身への影響が少ない

【第二選択(短期使用向き)】

  • GnRHアゴニスト
    (リュープリン® 注射など)女性ホルモンを一時的に抑えます。骨密度低下などの副作用があるため長期使用は不向き
  • GnRHアンタゴニスト(レルミナ®)
    2021年から保険適用の飲み薬。中止後の回復が早い。この薬も骨密度低下の副作用があるため使用期間は最大6か月となります

💡 低用量ピルの連続投与について

従来は「21日飲んで7日休む」周期投与が一般的でしたが、
連続して飲み続ける方が痛みの日数が減るという報告があります。
欧州のガイドラインでも連続投与が推奨されています。担当医に相談してみてください!

手術療法:こんな場合に検討します

  • 嚢胞径が10cm以上または急速に増大している場合(悪性腫瘍リスクあり)
  • 薬物療法でも痛みが改善しない場合
  • 妊娠を希望する場合(卵巣予備能を確認しながら検討)

手術方法は腹腔鏡を用いた嚢胞核出術(かくしゅつじゅつ)
癒着剥離術、または付属器切除術などがあります。

⚠️ 術後の再発予防がとても大切!

保存手術後、すぐに妊娠を希望しない場合は
術後すぐにホルモン療法(LEPやジエノゲストなど)を始めることが推奨されています。

術後に何も治療しない場合の再発率は約34%
一方、ピルを継続服用した場合は約8%まで下がるというデータがあります。
再手術は卵巣機能をさらに低下させるリスクがあるため、再発予防は非常に重要です。


📝 まとめ

子宮内膜症は、閉経まで長くつきあう慢性疾患です。

「不妊治療クリニックで子宮内膜症と言われた……」
「婦人科の健診でチョコレート嚢胞が見つかった……」
「毎月の月経痛がだんだんひどくなっている……」

そんな方は、ひとりで抱え込まず、ぜひ産婦人科医に相談してください🌸

治療法は患者さんひとりひとりで異なります。
担当医とよく話し合い、自分のライフプランに合った治療を選んでいきましょう(*˘︶˘*).。.:*♡

※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個々の診断・治療の代替となるものではありません。症状や治療方針については、必ず担当の医師にご相談ください。

<参考文献>

産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2026

子宮内膜症取扱い規約 第2部 診療編

産婦人科の実際 Vol.73 No.11 2024年

病気がみえる vol.9 婦人科・乳腺外科(第4版)

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