はじめに
外来では、こんな質問をよくいただきます☺

赤ちゃんが人っぽくなってきたけど、何をみてるんですか?
妊婦健診で何をみているのか気になりますよね♪
その気持ち、とってもよく分かります💕
今回は、妊娠12週から21週までの妊婦健診で「何を」「なぜ」調べているのかを、できるだけ分かりやすくお話ししていきますね。
この記事を読めば、次の健診が少し楽しみになるはずです✨
【妊婦健診 検査内容とスケジュール】12週から21週は何をする時期?
まず、健診の間隔からお伝えします。
日本では、妊娠23週ごろまでは、だいたい4週間に1回のペースで健診を受けます。
「思ったより間隔が空くんですね」と驚かれることもありますが、これが標準的なスケジュールです。
毎回の健診でチェックする項目は、主に次の4つです。

体重測定
妊娠中の体重増加は、赤ちゃんの発育や母体の負担に関わる大切な指標です。
増えすぎても増えなさすぎても良くないので、医師や助産師と相談しながら調整していきましょう。
血圧測定
血圧が高くなる「妊娠高血圧症候群」という病気を、早期に見つけるためのチェックです。
これは、妊娠中に血圧が上がり、母体や赤ちゃんに影響が出ることがある病気です。
尿検査(尿蛋白・尿糖)
尿の中に蛋白や糖が出ていないかを調べます。
腎臓の負担や、妊娠糖尿病(妊娠中に血糖値が上がりやすくなる状態)のサインを早めにキャッチするための検査です。
むくみ(浮腫)の確認
足のすねを指で押してへこみが戻りにくいかを見て、むくみの程度を確認します。
強いむくみは、妊娠高血圧症候群のサインのひとつになることがあります。
そして、16週前後からは「子宮底長」と「腹囲」の測定も始まります。
子宮底長とは、恥骨の上から子宮の一番高い場所までの長さのことです。
赤ちゃんの発育の目安になる、大切な数値なんですよ。
もちろん、超音波検査(エコー検査)も毎回行い、赤ちゃんの心拍や大きさを確認します。
【エコー検査 赤ちゃんの様子】超音波でわかることを詳しく解説
ここからは、皆さんが一番気になっているであろう「エコーで何を見ているのか」についてお話しします。
妊娠12週前後と、妊娠18〜20週前後では、実は見ているポイントが少し違います。
妊娠12週前後にチェックする項目
この時期は、赤ちゃんの体がひととおり完成する大切な節目です。
まだ体が小さいぶん、詳しく見るのは難しい時期でもありますが、基本的な形をひとつずつ確認していきます。
頭やお腹の表面
頭やお腹の表面が、なめらかに描出されているかを確認します。
手足の動き
手足が体の先端までしっかり描出されるか、プローブ(エコーの機械を体に当てる部分)を動かしながら確認します。
胃や膀胱
胃や膀胱に、赤ちゃんが飲み込んだ羊水がきちんとたまっているかを見ます。
これは、消化管や腎臓の働きが正常かどうかを知る手がかりになります。
心臓
心臓の部屋の数や、血管の並び方を確認します。
臍帯(さいたい)ヘルニア
妊娠12週未満では、へその緒の付け根が少しふくらんで見えることがあります。
これは「生理的臍帯ヘルニア」と呼ばれ、多くは12週以降に自然に消えていく、心配のいらない状態です。
ただし、12週を過ぎても大きくふくらみが残る場合は、詳しい検査をおすすめすることがあります。
NT(後頸部の厚み)
首の後ろのむくみの厚さを測る検査で、正式には「nuchal translucency」(ニューカル・トランスルーセンシー)と呼びます。
出生前診断のひとつで、詳しくは別記事でも解説していますので、気になる方はぜひそちらもご覧ください。
妊娠18〜20週前後にチェックする項目

赤ちゃんの体が大きくなり、超音波の機械の性能も上がったことで、より細かい部分まで観察できるようになる時期です。
いわゆる「胎児ドック」を受けられる方が多いのも、この時期です。
脳や顔
脳の左右の部屋の大きさや、口唇(くちびる)の形などを確認します。
心臓の詳しい構造
部屋の数や壁、血管のつながり方を、より詳しく確認します。
お腹の中の臓器
胃・腎臓・膀胱などが、正しい位置と大きさで見えるかを確認します。
手足の骨の長さ
腕や脚の骨の長さを測り、成長のペースが順調かを確認します。
へその緒(臍帯)
血管の本数(通常は2本の動脈と1本の静脈)を確認します。
染色体異常のない赤ちゃんでも、1%ほどの頻度で動脈が1本しかない場合がありますが、それだけで心配する必要はありません。
これらはあくまで基本的な観察項目で、すべての赤ちゃんに完璧な評価ができるわけではありません。
見えにくい角度や、赤ちゃんの向き・お母さんの体格によっても、見え方は変わってきます。
気になる所見があった場合は、必要に応じて専門医への紹介をご案内しますので、安心して健診に通ってくださいね。
【安定期 体調の変化】つわりの経過と体調管理のポイント

「安定期」という言葉、よく耳にすると思います。
医学的な明確な定義はありませんが、一般的には妊娠16週から27週ごろを指すことが多い言葉です。
流産のリスクが下がり、体調が落ち着いてくる方が多い時期、というイメージですね。
つわりの経過
つわりは個人差が大きいのですが、多くの場合、妊娠12週から16週ごろにかけて少しずつ落ち着いてきます。
一方で、人によっては妊娠中期以降も続くことがあります。
つらさが続く場合は、遠慮せずに相談してくださいね。
胎動を感じる時期
胎動とは、赤ちゃんがお腹の中で動く感覚のことです。
初めての妊娠の方は、妊娠20週前後で感じ始めることが多いです。
経産婦さんより気づきにくいことが多いので、まだ分からなくても心配しすぎないでくださいね。
体重管理
つわりが落ち着くと食欲が戻り、体重が急に増えやすくなる時期でもあります。
急激な体重増加は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクを高めることがあります。
バランスの良い食事と、無理のない範囲での体を動かす習慣を意識してみてください。
受診の目安となる症状

次のような症状があるときは、次回の健診を待たずに連絡・受診してください。
・少量でも出血がある
・お腹の張りや痛みが続く
・水っぽいおりものが急に増える(破水の可能性)
・急に強い頭痛やむくみが出る
「これくらいで連絡していいのかな」とためらう方も多いのですが、迷ったときはいつでも連絡してもらって大丈夫ですよ。
よくある質問コーナー
Q1:エコーで性別は分かりますか?
妊娠18〜20週ごろになると、外性器の形から性別が推測できることが多くなります。
ただし、赤ちゃんの向きによっては分からないこともあり、100%確実というわけではありません。
Q2:健診の間隔が4週に1回で本当に大丈夫ですか?
はい、大丈夫です。
妊娠23週ごろまでは、正常な経過であれば4週に1回が標準的なペースとされています。
気になる症状があるときは、次の健診を待たずに連絡してくださいね。
Q3:12週のエコーで「異常なし」と言われたら安心していいですか?
12週の時点で確認できる項目はあくまで基本的なものです。
18〜20週の詳しい検査で、初めて分かる所見もあります。
「異常なし」は、その時点で確認できた範囲での評価だと理解しておいてくださいね。
最後に
ここまで読んでいただき、ありがとうございます💕
妊娠12週から21週は、赤ちゃんの体がどんどん形づくられていく、とても大切な時期です。
健診のたびに、ひとつずつ丁寧に赤ちゃんの様子を確認していきますので、安心して通ってくださいね。
分からないことや不安なことがあれば、どんな小さなことでも遠慮なく聞いてください。
一人で抱え込まず、私たち医療者を頼ってくださいね😊
【参考文献】
・産婦人科診療ガイドライン産科編2020
・産婦人科専門医のための必修知識2022年度版
・病気がみえる vol.10 産科(第4版)
・日本産科婦人科学会「妊婦健診について」
・Nicolaides KH:The 11-13+6 weeks scan. Fetal Medicine Foundation, London, 2004



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