子宮筋腫とは?症状・原因・治療法を産婦人科医がわかりやすく解説

婦人科

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こんにちは!産婦人科Dr.ずーです!

総合病院の産婦人科で専攻医として勤務しながら、専門医取得を目指して日々研鑽を積んでいます。

患者さんの疑問や不安についてブログならもっと分かりやすく解説できるのではないかと思い投稿を始めました(#^^#)

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こんにちは!産婦人科Dr.ずーです🐣
産婦人科医をしながらどうしてブログを始めようと思ったか。自己紹介を兼ねてお伝えします!


今日は「子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)」についてお話しします。

生理の量が急に増えた、生理痛がひどくなった。
そんな変化を感じたことはありませんか。

実はその症状、子宮筋腫が原因かもしれません。
子宮筋腫は30歳以上の女性の20〜30%に見つかると言われ、婦人科の病気の中でもっとも多いものの一つです。

この記事では、子宮筋腫の症状・原因・治療法を3つの観点に分けてご紹介します。
正しい知識を持って、気になる症状は早めに婦人科を受診してくださいね。

【子宮筋腫の症状】過多月経や貧血のサインと、病院で行う検査

子宮筋腫とは、子宮の筋肉にできる「良性の腫瘍(しゅよう)」のことです。
良性腫瘍とは、体の他の場所に広がっていかない、がんではないコブのようなものを指します。

子宮筋腫のうち、約半数は症状がないまま経過すると言われています。
症状がある場合の代表的なものが、生理の出血量がとても多くなる「過多月経(かたげっけい)」です。

過多月経が続くと、体の中の鉄分が不足して「貧血」になりやすくなります。
貧血になると、立ちくらみや動悸、強い疲労感が出ることがあります。

レバーのような大きな血のかたまりが出る場合も、過多月経のサインです。
そのほかにも、次のような症状が現れることがあります。

  • 生理痛が強くなる(月経困難症)
  • 生理以外の時期に出血がある(不正出血)
  • トイレが近くなる(頻尿)
  • 下腹部が張る、重い感じがする(圧迫感)
  • 便秘がちになる

症状の強さは、筋腫ができる場所によっても変わります。
子宮の内側の粘膜近くにできる「粘膜下筋腫」は、小さくても出血症状が出やすい傾向があります。

反対に、子宮の外側にできる「漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)」は、大きくなっても圧迫感以外の症状が軽いことが多いです。
症状がない場合でも、健診の超音波検査で偶然見つかることも珍しくありません。

病院ではどんな検査をするの?

婦人科を受診すると、まず内診(触診)と超音波検査(エコー検査)を行います。
お腹の上から診る方法と、腟から専用の器具を入れて診る方法があり、筋腫の位置や大きさを確認します。

粘膜下筋腫が疑われる場合は、子宮の中に少量の水を入れてより詳しく観察する「ソノヒステログラフィー」という検査を追加することもあります。
また、子宮の中を直接カメラで見る「子宮鏡検査」を行う場合もあります。

超音波検査だけでは判断が難しいときや、手術を検討するときには、MRI検査を追加して詳しく調べます。
まれに、血液検査で「LDH」という数値が高く出ることがあり、その場合は筋腫の変性や、ごくまれな悪性腫瘍との区別のため、より慎重な検査が必要になります。

【子宮筋腫の原因と種類】エストロゲンとの関係、不妊・妊娠への影響

子宮筋腫がなぜできるのか、実ははっきりとした原因は分かっていません。
ただし、女性ホルモンの一つである「エストロゲン」が深く関係していると考えられています。

エストロゲンとは、卵巣から分泌される、女性らしい体つきや月経周期を整えるホルモンです。
このホルモンの影響を受けて、筋腫は少しずつ大きくなっていきます。

そのため、妊娠中はエストロゲンが増えるので筋腫も大きくなりやすく、閉経後はホルモンが減るため自然に小さくなる傾向があります。
初経(はじめての生理)を迎える前に筋腫ができることはなく、20代よりも30代・40代で見つかりやすいのは、この仕組みが関係していると考えられます。

子宮筋腫は、できる場所によって主に3つの種類に分けられます。

子宮筋腫のイラスト
  • 粘膜下筋腫:子宮の内側(粘膜)にできるタイプ
  • 筋層内筋腫:子宮の筋肉の中にできるタイプ(もっとも多いタイプです)
  • 漿膜下筋腫:子宮の外側にできるタイプ

筋腫のほとんど(約95%)は子宮の本体部分にでき、まれに子宮の入り口に近い部分(頸部)にできることもあります。
また、筋腫は一つだけでなく複数個できることも多く(60〜70%程度)、種類が混ざっていることも珍しくありません。

なお、子宮筋腫が不妊や流産の原因になることもあります。
筋腫によって子宮の中の形が変わったり、子宮の収縮の仕方が乱れたりすることで、精子や受精卵の通り道が妨げられることがあるためです。

妊娠中は、筋腫の場所や大きさによって、切迫早産や胎児の向きの異常、出産時の出血が増えるなど、注意が必要な場合があります。
妊娠・出産を希望する方は、症状がなくても一度婦人科で相談しておくと安心です。

【子宮筋腫の治療法】経過観察から手術療法まで選択肢を解説

子宮筋腫の治療法のイラスト

子宮筋腫は良性の病気なので、必ずしもすぐに治療が必要というわけではありません。
一般的には、次のような場合に治療を検討します。

  • 症状が強く、日常生活に支障がある
  • 妊娠を希望していて、筋腫が不妊や流産の原因と考えられる
  • 妊娠中や出産時にトラブルの原因になりそうな場合
  • まれな悪性腫瘍との区別が難しい場合

これらに当てはまらなければ、3〜12か月ごとの定期的な診察で様子を見ることも多いです。
治療が必要な場合の選択肢は、大きく分けて「対症療法」「薬物療法」「手術・低侵襲治療」の3つです。

対症療法(症状を和らげる治療)

出血や痛みを軽くするために、止血剤や痛み止め(NSAIDs=消炎鎮痛薬)を使う方法です。
漢方薬や低用量ピルで、月経量や月経痛を和らげる方法もあります。

過多月経が特に強い場合には、子宮の中の内膜を薄くする「子宮内膜焼灼術」や、子宮の中に入れる「黄体ホルモン放出システム(IUS)」も選択肢になります。
これらは筋腫そのものを小さくする治療ではなく、あくまで症状を軽くするための方法です。

薬物療法(GnRH製剤)

一時的に筋腫を小さくする「GnRH製剤」というお薬もあります。
これは脳から出るホルモンの働きを利用して、卵巣の働きを一時的に休ませ、疑似的な閉経状態を作るお薬です。

治療開始から2〜4か月ほどで、筋腫の体積が20〜40%ほど小さくなることが期待できますが、それ以上続けても効果は頭打ちになります。
また、使用をやめると4〜6か月ほどで元の大きさに戻ってしまうことが多く、根本的な治療ではありません。

長期間使うと骨密度が下がる副作用もあるため、使用期間は半年以内に限られることが一般的です。
主に、手術前に筋腫を小さくして出血量を減らす目的や、閉経が近い方が自然な閉経を迎える手助けとして使われます。

手術療法・低侵襲治療

薬物療法で改善しない場合や、筋腫が大きい場合には、手術が検討されます。

妊娠・出産を希望する方には、筋腫だけを取り除く「筋腫核出術(きんしゅかくしゅつじゅつ)」が行われます。
子宮そのものは残るため将来の妊娠が可能ですが、根本的な治療ではなく、術後15〜30%程度の方に筋腫の再発が見られます。

手術後は、体の回復を待って3〜6か月ほどで妊娠が許可されることが多いです。
筋腫を取った部分が子宮の壁の深くまで及んでいた場合は、出産時に帝王切開が勧められることもあります。

子宮の内側に飛び出した粘膜下筋腫の場合、お腹を切らずに子宮の中から専用の器具で筋腫を取る「子宮鏡下手術」ができることもあります。
妊娠を希望しない、または症状が重い場合には、子宮そのものを摘出する「子宮全摘術」が根治的な治療法となります。

子宮全摘術には、お腹を切る方法、腟から行う方法、腹腔鏡を使う方法があり、筋腫の大きさや体の状態に応じて選ばれます。
このほか、カテーテルを使って筋腫への血流を止める「子宮動脈塞栓術」や、体の外から超音波を当てて筋腫を壊す「集束超音波治療」など、体への負担が少ない治療法もあります。

これらの低侵襲治療は子宮を残せる利点がありますが、将来の妊娠への安全性はまだ十分に確立されていません。
妊娠を希望する方がこれらの治療を選ぶ場合は、事前に医師とよく相談することが大切です。

どの治療が適しているかは、筋腫の大きさや場所、年齢、今後の妊娠希望などによって一人ひとり異なります。
気になる症状がある方は、自己判断せずに婦人科でしっかり相談することが大切です。

まとめ

子宮筋腫は、婦人科の病気の中でもっとも多く見られる、身近な良性腫瘍です。
過多月経や貧血、生理痛の悪化などのサインを感じたら、我慢せずに婦人科を受診しましょう。

早めに見つけて適切な方法を選ぶことで、体への負担を減らすことができます。
定期的な婦人科健診も、早期発見のためにとても大切です。


参照:公益社団法人 日本産科婦人科学会「子宮筋腫」/MSDマニュアル家庭版「子宮筋腫」/「産婦人科専門医のための必修知識 2022年度版」(公益社団法人 日本産科婦人科学会)

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